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平成28年5月20日裁決

《ポイント》
 本事例は、先物取引の差金等決済に係る損失の繰越しのみを求めるための申告書を提出できる期限は、その申告書を提出することができる日から5年を経過する日までとした申告指導等に誤りはないとしたものである。
《要旨》
 請求人は、原処分庁の行った平成21年分の所得税の決定処分(本件決定処分)は、国税通則法(通則法)第74条の11《調査の終了の際の手続》第2項に規定する調査結果の説明を口頭で行っていないなど、調査終了の際の手続が不十分であること、平成20年分の所得税につき、少なくとも法定申告期限から7年間は期限後申告が可能であったにもかかわらず、原処分庁が請求人に対して、法定申告期限から5年間が期限後申告書を提出できる期限であるとの指導(本件申告指導)をし、請求人は、不当な本件申告指導により、平成20年分の所得税の期限後申告書の提出を制限され、結果、平成21年分の所得税において、前年分の先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除が不可能な状態を強いられ、その後に本件決定処分がなされたという事情があることから、通則法第25条《決定》に基づく適法な調査によるものとはいえず、取り消されるべきである旨主張する。
 しかしながら、上記の主張について、本件における調査手続には、課税処分を取り消すべき違法な点はなく、また、上記の主張について、請求人の平成20年分の所得税の期限後申告書は、その申告書を提出できる日から5年を経過する日が提出できる期限であると解されるところ、本件申告指導を行った時点において、既に当該期限を経過していたのであるから、本件申告指導により平成20年分の期限後申告を行う権利を制限されたとする請求人の主張はその前提を欠く。したがって、本件決定処分は、通則法第25条に規定する「調査」に基づいて適法に行われたものであり、取り消すべき違法はない。
《参照条文等》
 租税特別措置法第41条の15

《参考判決・裁決》
 富山地裁平成19年3月14日判決(税資257号順号10655)
 名古屋高裁金沢支部平成19年9月12日判決(税資257号順号10773)
 水戸地裁平成21年2月17日判決(税資259号順号11142)

平成28年5月20日裁決




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