▼ 裁決事例集 No.65 - 1095頁 請求人は、差押処分の対象となった自宅底地以外に不動産を所有していたので当該不動産を差し押さえるべきであったと主張する。しかしながら、差押財産の選択については、徴収職員の合理的判断にゆだねられているところ、請求人が差し押さえるべきであったと主張する不動産は換価に不適又は不便な財産であるから、本件自宅底地の差押えには合理性を欠いた点はなく、違法ではない。 国税徴収法第48条第1項が規定する超過差押えとなるか否かを判断する場合、一般的には、差押財産の処分予定価額と徴収すべき滞納国税(延滞税等の附帯税も含む。)の額とを比較して判定すべきものであるとしても、差押財産の処分予定価額が滞納国税の額を超過した場合に、直ちに当該差押えが超過差押えとして違法となるものではなく、他に滞納国税を満足できる換価に見合う財産があるにもかかわらず、滞納国税の額に比較して差押財産の処分予定価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であると認められるような財産を差し押さえたというような特段の事情がある場合に、初めて当該差押えが違法となるものと解される。 また、複数の財産を差し押さえた場合において、そのうちの一部の差押えによって国税徴収の目的が十分達成できるにもかかわらず、あえて他の財産も差し押さえたときは、超過差押えとなる余地もあり得るが、差押えに係る財産が法律上分割できない場合、あるいは分割することはできるが、分割することにより物の経済的価値を著しく害する場合には、たとえその財産の価額の合計額が滞納国税の額を超過したとしても違法とはならないと解される。 原処分時の本件差押自宅敷地の処分予定価額は、処分予定価額が上回っているが、本件差押自宅敷地は一筆の土地で分割できないものであり、本件滞納国税の額に比較して本件差押自宅敷地の処分予定価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であるとは認められない。 平成15年4月7日裁決 |
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差押不動産は一筆の土地で分割できないものであり、滞納国税の額に比較して差押不動産の処分予定価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であるとは認められないから、超...
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▼ 裁決事例集 No.54 - 59頁
原処分庁は、請求人の更正の請求に基づき、納付すべき税額を931,345,100円とする更正処分を行った。
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相続税法34条4項の連帯納付義務は、受贈者の贈与税の納税義務の確定という事実に基づいて法律上当然に生じるもので、特別の確定手続を要するものではなく、その範囲は、...
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相続税法第34条第4項の連帯納付義務は、贈与税の徴収確保を図るため、贈与者に課した特別の履行責任であって、受贈者の贈与税の納税義務の確定という事実に基づい...
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換価代金等の交付期日を原処分庁が2日短縮した配当処分に手続上違法な点はなく、配当処分時に延滞税が滞納国税として存在しているから、その延滞税を徴収するためにした原...
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▼裁決事例集 No.71 - 755頁
請求人は、[1]換価代金等の交付期日の期間の短縮を定めた国税徴収法(以下「徴収法」という。)第132条《換価代金等の交付期日》第2項は、不服申立ての権利を奪...
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被相続人が生前立退料を支払うなどして借家人を立ち退かせた上、その貸家用の家屋を取り壊し、その敷地に貸家用の家屋を建築中である場合において相続が開始したときのその...
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貸家建付地とは、相続開始時点において現に貸付けの用に供されている建物の敷地を指すものと認められる。貸家建付地は自用地に比べて低額に評価することとされているが、...
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財産評価基本通達24−4《広大地の評価》に定める「その地域における標準的な宅地の地積」については、河川や山などの自然的状況、行政区域、都市計画法による土地利用の...
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▼ 裁決事例集 No.72 - 565頁
財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(以下「本件通達」という。)を定めた趣旨は、評価の対象となる宅地の面積が、当該宅地の価額の形成に関して直接影響を与...
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居住の用に供していた建物が法人の所有である場合には、その敷地の譲渡について居住用財産を譲渡した場合の課税の特例の適用はないとした事例
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▼ 裁決事例集 No.67 - 421頁
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鉄道の高架下を賃借するために支払った権利金は繰延資産ではなく借地権類似の権利の対価に当たるとした事例
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裁決事例集 No.4 - 14頁
請求人は鉄道の高架下の賃借は建物の賃借であると主張するが、その賃借物件は高架鉄道の道床、脚柱によって囲まれた部分に隔壁を施した箱型の敷地を含めた空間であるから、こ...
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源泉所得税の納付が法定納期限後になったことについて真に納税者の責めに帰することのできない客観的事情があったと認められるとした事例
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▼ 平成25年5月21日裁決
《要旨》
原処分庁は、請求人が賃借する店舗及びその敷地(本件店舗等)の賃貸人が非居住者となった日以後に支払った賃借料についての源泉徴収に係る所得税(源泉所得税)を法定...
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