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▼ 裁決事例集 No.75 - 37頁
 請求人は、残高不足により口座振替納付日に振替できなかったからといって法定納期限にさかのぼって延滞税が課されるのは納得できず、当該延滞税により行った督促処分は、違法である旨主張する。
 
しかしながら、延滞税は、私法上の遅延利息ないしは遅延損害金の性質を有し、法定納期限内に納付すべき国税が完納されなかった場合に、その納税者にこれを負わせることにより、法定納期限までに国税を完納した者との権衡を図るとともに、もって国税の期限内における適正な納付を担保しようとするものであると解され、納付遅延行為に対する制裁的意味合いが認められるとしても、そのことのみによって延滞税の制度が設けられていると解することはできない。また、口座振替納付の方法は、納税者が預貯金先に出向いてその払戻しを受け、その金銭を再び国税として金融機関に提出するという二重の手数を省略するという便利な方法であるが、納付する国税の納期限が申告期限と同一日である場合は、税務署長による金融機関への納付書の送付、金融機関における振替手続等に要する日時を考慮すれば、実際問題として期限内に口座振替納付ができないことになるので、国税通則法第34条の2第1項は、このような国税について口座振替期日に口座振替納付がされた場合には、口座振替期日が納期限後であっても、特に期限内納付とみなすこととしているものと解される。したがって、納税者の事情で預金不足等により振替不能となったときは、この特例の適用はなく、原則どおり期限内納付した者との権衡を図るため、本来の納期限から完納される日までの間、延滞税が課されることになるものと解するのが相当である。これを本件についてみると、請求人が納付すべき税額は、口座振替の手続が行われたものの、請求人が指定した預金残高が当該税額に不足していたことから振替納税がされなかったため、後日、請求人が自ら納付したものであり、国税通則法第34条の2第2項により、口座振替を選択している者において振替納付期日に口座振替による納付が行われなかった場合には、法定納期限後に自ら納付したとしても、法定納期限に納付されたとみなされないことから、請求人は、法定納期限の翌日から自ら納付した期間に応じた本件延滞税を納付しなければならないこととなる。
平成20年3月10日裁決




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