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▼ 平成29年6月15日裁決
《ポイント》
 本事例は、相続税の法定申告期限までに判明した相続財産だけで遺産に係る基礎控除を超える場合、相続税の期限内申告書を提出しなければならないと解するのが相当であり、全ての相続財産を反映した相続税の申告書を作成できなかったとしても、「正当な理由」には該当しないと判断したものである。

《要旨》
 請求人らは、期限内申告書を提出しなかったのは、法定申告期限において、被相続人が受け取るべき損害賠償金の額が確定しておらず、全ての相続財産を反映した相続税の申告書を作成することができなかったためであるから、国税通則法第66条《無申告加算税》第1項ただし書に規定する「正当な理由」がある旨主張する。
 しかしながら、納税者が相続財産の全容を把握するため、種々の調査をし、情報入手の努力をした結果、法定申告期限までに相続財産の一部しか判明しなかったとしても、その判明した部分だけで遺産に係る基礎控除額を超える場合には、納税者は、判明した相続財産につき期限内申告書を提出しなければならず、納税者が、法定申告期限までに把握した相続財産の価額が遺産に係る基礎控除額を超えることによって相続税の申告書の提出を要すると認識し、又は認識し得た場合において、その把握した相続財産に係る期限内申告書を提出しなかった場合には、同項ただし書に規定する「正当な理由」があるとは認められないと解するのが相当であるところ、請求人らは、法定申告期限までに、相続税の申告について相談した税理士から相続税の申告が必要である旨の説明を受けるとともに、相続した土地の価額のみで基礎控除額を超えることを認識していたのであるから、相続税の申告が必要であることを認識していたものと認められる。したがって、請求人らが期限内申告書を提出しなかったことについて、同項ただし書に規定する「正当な理由」があるとは認められない。
《参照条文等》
 国税通則法第66条第1項
《参考判決・裁決》
 大阪高裁平成5年11月19日判決(税資199号834頁)




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