▼裁決事例集 No.78 - 397頁 請求人は、利益積立金額等がマイナスの場合にその金額を零円として清算所得の金額を算定しないということは、過年度の損失であるマイナスの利益積立金に対し清算時に課税することといえ、これは、清算前の通常の事業年度でも課税しない損失に対して課税することを意味するものであり、また、資本金に対して課税することと同義であり、所得に対して課税するという法人税の根幹に反するものとなる旨主張する。 しかしながら、清算の過程で実現したいまだ課税されていない資産の含み益のうち、いわゆる累積欠損金に相当する金額について課税するかしないかは制度上の問題であり、現行法人税法上、清算所得の計算において解散の時におけるマイナスの利益積立金額を零円とする特段の規定は存在しないところ、この計算の下で算出された清算所得の金額は、いわば法人が解散するまでに稼得した部分の金額でいまだ課税されていない資産の含み益にすぎないのであるから、この含み益には株主からの投下資本に相当する部分は含まれていないと解するべきであり、請求人の主張には理由がない。 平成21年11月27日裁決 |
類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例
解散による清算所得の金額の計算において、残余財産の価額から控除する利益積立金額等の金額がマイナスの場合には、これを零円として計算することはできないとした事例
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▼裁決事例集 No.78 - 397頁
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請求人が子会社から受けた利益剰余金を配当原資とする剰余金の配当及び資本剰余金を配当原資とする剰余金の配当は、その全額が資本の払戻しによるものに該当するとした事例...
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▼ 平成24年8月15日裁決
《要旨》
請求人は、請求人の子会社からの利益剰余金を原資とする剰余金の配当及び資本剰余金を原資とする剰余金の配当について、会社法上別々の法律行為として成立しているので...
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滞納法人がその構成員である組合員に対して行った賦課金の返還行為が、国税徴収法第39条の無償譲渡等に当たるとされた事例
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▼ 裁決事例集 No.57 - 553頁
国税徴収法第39条の無償譲渡とは、民法上の贈与等を指すものと解され、課税庁が利益の配当として法人及びその株主等に対し課税した場合であっても、それが法人のそ...
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特定外国子会社が納付する我が国の事業税は、税額控除の対象となる外国法人税に該当しないとした事例
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裁決事例集 No.43 - 528頁
請求人は、法人税法第69条の規定は所得に対する国際間の二重課税を排除するためのものであり、その立法趣旨から、所得を課税標準として課された我が国の事業税を外国法...
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和解金の支払が剰余金の分配と認められ資本等取引に該当するとして損金の額に算入できないとした事例
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▼ 平成23年7月5日裁決
《ポイント》
この事例は、訴訟上の和解に基づき請求人が支払った和解金の性格について、訴訟の経緯、対立点及び和解において請求人が当該和解金を支払うに至った経過並びに和解調...
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信用を出資の目的とした出資の額は消費税法上の出資の金額に含まれ、請求人は消費税法上の新設法人に該当するため消費税等を納める義務が免除されないとした事例(消費税及...
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▼ 平成29年6月15日裁決
《ポイント》
本事例は、信用を出資の目的とした出資の額は消費税法第12条の2《新設法人の納税義務の免除の特例》第1項に規定する「出資の金額」に該当するとしたもの...
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請求人が作成した輸出承認申請書に記載された金額のみをもって、譲渡価額と認定することはできないとした事例
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▼ 裁決事例集 No.60 - 375頁
請求人が作成した輸出承認申請書の記載内容のみをもって、原処分庁は、請求人がフィリピンの現地法人あてに輸出した中古の機械装置は、輸出承認申請書の記載価額14...
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農業を営んでいない者は、肉用牛の売却による農業所得の課税の特例(いわゆる肉用牛の免税制度)を適用することはできないとした事例
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▼ 裁決事例集 No.72 - 288頁
請求人は、本件農地において米を栽培するため、Fに耕作及び収穫の作業を委託しているから、租税特別措置法(以下「措置法」という。)第25条《肉用牛の売却による...
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勤務先の株式報酬制度に基づいて支給された株式に係る給与所得の収入すべき日は、当該報酬制度による株式を無償で取得する権利(アワード)に係る株式が口座に入庫された日...
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▼ 平成24年7月24日裁決
《ポイント》
所得税法第36条第1項は、現実の収入がなくても、その収入の原因となる権利が確定した場合には、その時点で所得の実現があったものとしてその権利確定の時期の属...
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