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▼ 裁決事例集 No.67 - 633頁
 請求人らは、取引相場のない株式の評価方法を財産評価基本通達188に基づいて判定(株主区分の判定)するに当たり、単位未満株式は、発行済株式数から控除すべき株式を定めた同188−3及び同188−4に含まれていないから、発行済株式数から単位未満株式を控除せずに、その判定をすべきである旨主張する。
 しかしながら、株主区分の判定について、株式の保有割合を基とした会社支配の可否を基本的な考え方としているのは、商法第240条が株主総会の決議要件である発行済株式数に議決権のない株式等を算入しない旨を規定していることと符合させたものと解することが相当である。そうすると、同178における原則的な評価方法に対して設けられた同188の特例的評価方法についても、会社支配に関係する株式について比較すべきであり、株式の保有割合を判定する場合における発行済株式数についても、議決権を有しないこととされる株式及び議決権のない株式は、当然に含まれないと解すべきものである。
 また、上記の商法の改正経緯と財産評価基本通達の整備状況から、限定的に財産評価基本通達188−3及び188−4が定められたと解することは相当ではなく、課税実務上、必要な範囲で発行済株式数から控除される株式を明示したものと解すべきである。
 そうすると、株式の保有割合の判定において、発行済株式数に自己株式及び単位未満株式を含めることは、商法がこれらの株式について議決権を有しないこととした趣旨に照らしてみると、株主総会の決議における株主の議決権割合ともそごを来すことにもなり合理性が見出されないから、むしろ、同通達188−3及び188−4に定める株式と同様に、発行済株式数から控除することが相当であると認められる。
 したがって、株主区分の判定において、単位未満株式については、議決権のない株式であることから発行済株式数から控除すべきであり、請求人らの主張は採用できない。
平成16年3月23日裁決




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