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請求人が主張していない行政手続法第14条に基づく理由の提示につき、審判所の調査の結果、理由の提示に不備があったと認定した事例(平18.9.1〜平19.8.31までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分、平19.9.1〜平20.8.31、平21.9.1〜平22.8.31、平23.9.1〜平24.8.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分、平19.9.1〜平20.8.31、平21.9.1〜平22.8.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分、平18.9.1〜平19.8.31、平20.9.1〜平21.8.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分、平22.9.1〜平23.8.31の事業年度の法人税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分、平18.9.1〜平19.8.31、平20.9.1〜平21.8.31、平23.9.1〜平24.8.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分、平19.9.1〜平20.8.31、平21.9.1〜平22.8.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の重加算税の各賦課決定処分、平22.9.1〜平23.8.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分・棄却、一部取消し・平成26年12月10日裁決)


▼平成26年12月10日裁決

《要旨》
 原処分庁は、所得の金額の計算上、法人税の確定申告書において損金の額に算入していた青色欠損金額(当期控除額)を加算されることが更正通知書(本件通知書)に示されていないことについて、当期控除額を加算する理由(本件理由)は、青色申告の承認の取消処分に伴うものであり、法文の規定上明らかであることから、請求人においても容易に認識でき、理由の提示不備の違法はない旨主張する。
 しかしながら、行政手続法第14条《不利益処分の理由の提示》第1項本文が、不利益処分をする場合に同時にその理由を名宛人に示さなければならないとしているのは、名宛人に直接に義務を課し又はその権利を制限するという不利益処分の性質に鑑み、行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨に出たものと解されることから、更正処分をする際は、当該更正通知書自体に法の要求する程度にその理由を示す必要がある。よって、本件通知書は、本件理由の提示がなく、本件通知書自体から当期控除額を所得金額に加算する旨を特定し得る程度の理由を示していないことは明らかであるから、本件理由の提示不備の違法があると判断するのが相当である。なお、本件通知書は、本件理由の提示のないことが更正処分全体の理由の提示を不備なものとする程度に至るとは認められず、また、他に更正処分に係る理由の提示に不備があるとも認められない。


《参照条文等》
 行政手続法第14条


《参考判決・裁決》
 最高裁平成23年6月7日第三小法廷判決(民集65巻4号2081頁)






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