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▼ 裁決事例集 No.62 - 76頁
 原処分庁は、請求人が個人事業を廃止していわゆる法人成りしたことに伴い個人事業を廃止した年分の必要経費に算入した従業員退職金について、退職金支給規定の支払事由に法人成りの定めがないこと及び労使協定書に従業員の有する全ての権利義務が法人へ承継される旨規定されていることから、従業員退職金の支払債務は法人成り後の退職金支給規定に規定された支給事由が生じたときに初めて発生すると解するべきであり、また、請求人らが預り金として会計処理した従業員退職金は実質的には未払金であり、長期にわたる未払いは経済的合理性を欠くものであるから、従業員退職金の債務は成立しておらず、必要経費に算入することはできない旨主張する。
 しかしながら、関係者の答述及び従業員全員が請求人らに提出した退職所得の受給に関する申告書から、従業員退職金の支払について、労使間で事前の協議が整い、従業員にその協議内容を周知し、請求人らは従業員の了解の下に退職所得の受給に関する申告書の提出を受けたものと認められるから、従業員退職金の支払債務は成立していると判断するのが相当であり、退職金支給規定の記載内容の一部のみを取り上げて従業員退職金の債務が成立していないと判断することはできないから、従業員退職金を必要経費に算入できないとした更正処分はその全部を取り消すのが相当である。
平成13年10月17日裁決