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▼ 平成25年4月22日裁決
《ポイント》
 本事例は、請求人の事業所得の金額を推計により算定する場合において、原処分庁が採用した収入金額に進行年分の算出所得率(総収入金額に占める一般経費差引後の所得金額の割合)を乗じて計算した金額から提示された一部の領収証に基づく外注工賃のみを差し引いて算定するという推計方法は合理性がなく、常に外注工賃が存在すると認められる業態については、進行年分の外注工賃を考慮した所得率を用いるのが最も合理的な推計方法であるとしたものである。
《要旨》
 原処分庁は、請求人が請け負っているソフトウェア等の開発業務(本件業務)について、本件各年分の収入金額に、進行年分の算出所得率(総収入金額に占める一般経費差引後の所得金額の割合)を乗じて計算した金額から、提示された一部の領収証に基づく外注工賃のみを差し引いて事業所得の金額を推計の方法で算定しているところ、本件各年分と進行年分における本件業務の内容には同一性があるとしつつ、請求人が、本件各年分の本件業務について、収支状況を明らかにする記帳をしておらず、提示した領収証以外の外注先及び支払金額等を明らかにしない以上、原処分庁の採用した推計方法は合理性がある旨主張する。
 しかしながら、本件各年分及び進行年分における本件業務の内容には同一性が認められること、本件業務は、その内容、金額及び業務の期間等からみれば、到底請求人個人のみで行うことのできない規模であると認められること、請求人は、本件業務を受注し預金口座に請負代金の振込みがあった都度、その振込金額の9割を超える金額を引き出しているところ、このうち進行年分については、当該引き出した金額が外注工賃の支払に充てられたことが、原処分庁の調査によって裏付けられていること、請求人が本件業務の取引内容等について答述した内容は基本的に信用でき、これによれば、本件業務は、受注後、全てを外注し、外注先に完成品と引換えに外注工賃を支払う取引形態であったと認められることなどを総合すると、本件各年分においても、進行年分と同様に、外注工賃を支払っていたと推認することができる。そうすると、本件業務について、常に外注工賃が存在するという業態についても、本件各年分と進行年分とに同一性があると認められるから、本件各年分の本件業務に係る事業所得の金額の算定に当たっては、進行年分の外注工賃を考慮した所得率(総収入金額に占める一般経費及び外注工賃等差引後の所得金額の割合)を用いるのが、請求人の真実の所得の近似値を算定するに最も合理的な推計方法であるというべきである。
《参照条文等》
 所得税法第156条




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