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▼平成24年2月10日裁決
《要旨》
 請求人は、勤務先が属するE社グループの株式報酬制度に基づいて支給されたE社の上場株式(E社株式)に係る給与所得の収入金額の収入すべき日は、E社グループの従業員等の金融取引に関する取引方針(従業員等取引方針)の定め(所定の期間以外はE社グループ各社の発行した株式の譲渡を制限する旨)によりE社株式の譲渡が制限されていたから、E社株式が請求人の証券等取引口座に振り替えられ、かつ、当該譲渡制限が解除され譲渡が可能となった日(従業員等取引方針により譲渡できる期間の初日)である旨主張する。
 しかしながら、当該株式報酬制度の内容等を総合すると、請求人は、同制度による約束(ストック・ユニット:将来の指定された日(コンバート日)に、ストック・ユニット1単位に対してE社の普通株式1株を支給する旨の無保証の約束)が株式にコンバートした日において、E社株式の支給を受けて、当該株式に係る株主としての地位を確定的に取得したものと認められるから、同日をもって、当該支給に係るE社株式に係る給与所得の収入すべき日とするのが相当である。また、従業員等取引方針は、従業員の不正行為等の防止を目的として、E社グループの全ての従業員等による証券等の各種取引を規制対象とするものであり、当該株式報酬制度とはその目的や対象等を異にする別の制度であることからすると、請求人に支給されたE社株式は、請求人の立場により自由に譲渡できる期間を限定されているとはいえ、市場に流通するE社株式と同じ経済的価値(客観的交換価値)を有するものであるから、請求人が、上記コンバート日において既に、上記のような価値のあるE社株式の支給を受けて、当該株式に係る株主としての地位を取得している以上、同日に当該株式に係る所得が実現したというべきである。
《参照条文等》
 所得税法第36条第1項
《参考判決・裁決》
 最高裁昭和53年2月24日第二小法廷判決(民集32巻1号43頁)
 東京地裁平成17年12月16日判決(訟月53巻3号871頁)
 大阪高裁平成20年12月19日判決(訟月56巻1号1頁)




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