▼ 平成29年5月29日裁決 《ポイント》 本事例は、一部の業務に係る収入金額を除く一方当該業務に係る必要経費の一部を加えて作成された試算表は、確定申告義務が生じないことの説明資料として作成されたものとは認められないとして、重加算税の賦課決定処分を取り消したものである。 《要旨》 原処分庁は、請求人は、建築設計業務のほか風俗業を営むことによって多額の利益が生じていることを認識しつつ、風俗業を行っていた複数の店舗のうちの一部の店舗に係る業務(本件独自業務)について、その収入金額を除く一方必要経費の一部を加えた試算表(本件試算表)を作成しているところ、本件試算表は、本件独自業務に係る収入金額を除外するともに、本件独自業務以外の業務において損失が生じているという虚偽の内容を記載することにより、所得金額が生じていないという状況を意図的に作出し、確定申告義務がないことの説明資料として作成されたものといえるから、請求人は、本件独自業務に基因する事業所得の金額を隠ぺいして確定申告書を提出しなかったものと認められる旨主張する。 しかしながら、本件試算表は、請求人が顧問契約の締結を検討していた税理士法人(本件税理士法人)によって作成されたものであるところ、請求人は、本件独自業務に係る売上げを記載した手帳の提示などをせず、本件税理士法人に試算表を作成させたと認められるものの、その後原処分調査までの間に、本件税理士法人に対して本件独自業務を行っていることを述べていることや、原処分調査の際、自ら進んで本件試算表を示して確定申告義務がないとの説明をしたこともなかったことなどを考慮すると、本件独自業務に係る収入金額を申告しないという意図を有していたとか、所得金額が生じない状況を意図的に作出したものとは認められず、本件試算表の作成は、請求人による隠ぺい、仮装と評価すべき行為に該当するとは認められない。 《参照条文等》 国税通則法第68条第2項 |
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