TOP 開示資料 トピック 賠償事例 裁決事例 関係法令 法令翻訳 英訳情報 用語英訳


<<  戻る


▼ 平成27年7月1日裁決
《要旨》
 請求人は、請求人の役員ら名義の各預金口座に振り込まれた金員(本件各金員)は、請求人の意思決定の下に役員らへ支給されたとはいえず、また、本件各金員については、役員らが請求人へ返金する旨株主総会において決議したのであるから、本件各金員を請求人から役員らに支給された給与であるとした納税告知処分は違法である旨主張する。
 しかしながら、法人の代表者等が法人経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配している事情がある場合には、法人の代表者等が当該法人の事業活動を通じて得た利得は、給与支出の外形を有しない利得であっても、それが法人の資産から支出されたと認められる場合には、当該利得は法人の代表者等がその地位及び権限に対して受けた給与であると解されるところ、本件においては、役員らが請求人の株式の3分の1ずつを保有し、役員らの決議の下に請求人の経営方針が決定されていることから、請求人の業務においては、役員らが法人経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配しているものと認められ、また、本件各金員は、役員らが請求人の事業活動を通じて得た利得であり、役員らが管理する各預金口座に振り込まれ任意に処分できる状態になったことからすれば、役員らの各預金口座に振り込まれた時点で役員らに帰属したといえる。そうすると、本件各金員は、役員らがその地位及び権限に対して請求人から受けた給与であると認められ、当該給与につき、じ後に返還債務が発生した場合であっても、本件役員らが現実に本件各金員を取得した限り、その時点で給与に該当するというべきである。

《参照条文等》
法人税法第34条、所得税法第28条

《参考判決・裁決》
仙台高裁平成16年3月12日判決(税資254号順号9593)




類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70402.html

売上除外をして請求人の役員らの各預金口座に振り込まれた金員は、請求人からの役員給与に該当し、じ後に請求人に対し役員らの返還債務が発生した場合であっても、当該金員...


... ▼ 平成27年7月1日裁決 《要旨》  請求人は、請求人の役員ら名義の各預金口座に振り込まれた金員(本件各金員)は、請求人の意思決定の下に役員らへ支給されたとはいえず、また、本件各金員については、役...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

請求人の取締役が請求人から不正に取得した金員は、請求人が当該取締役に支給した給与等には該当しないとした事例(平成21年12月、平成23年11月、平成23年12月...


... ▼ 平成30年5月7日裁決 《ポイント》  本事例は、代表者以外の役員が横領により法人の金員を不正に取得した場合に、当該役員が法人経営の実権を掌握し法人を実質的に支配していたとは認められないから、...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70303.html

非常勤取締役に対する役員報酬について、類似法人から算出した報酬額を適正と判断した事例


... ▼ 裁決事例集 No.70 - 215頁  請求人は、非常勤取締役である代表者の母に対する適正報酬額は、当該取締役が代表取締役のよき相談相手として経営に参画していることから、請求人の従業員に対する給...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70500.html

代表取締役が代表権のない取締役に分掌変更したことに伴って請求人が支給した金員について、実質的に退職したと同様の事情にあるとはいえず、法人税法上の損金算入すること...


... ▼ 平成29年7月14日裁決 《ポイント》  本事例は、分掌変更後も、請求人の経営ないし業務において主要な地位を占め、請求人の取締役として重要な決定事項に関与していたことが認められるか...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70500.html

比較法人の平均功績倍率が、裁判事例や裁決事例による功績倍率よりも低いことのみをもって相当性を欠くものではないとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.74 - 146頁  請求人は、法人税法第36条及び法人税法施行令第72条に規定する適正役員退職給与の額の具体的な判断基準としていわゆる功績倍率法を用いることについて争いはない...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70500.html

業務上の事故で死亡し退職した代表者の遺族に対する退職金は不相当に高額であるとした事例


... 裁決事例集 No.40 - 177頁  請求人は、死亡退職した代表者の遺族に対し、死亡退職金として9,100万円を支給しているが、業務上の死亡により退職した者に対しては、通常の退職給与より多額に支給...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70500.html

退職した役員に支払った役員退職給与の一部を親会社に対する寄付金であるとして否認した原処分を取り消した事例


... 裁決事例集 No.38 - 196頁  本件役員退職給与99,000,000円については、税引後手取額が退職役員名義預金に預け入れられた後に、62,102,000円(振込手数料を含む)が外国関連会社...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70302.html

請求人名義の車両を代表者に対し贈与等をした事実はなく給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらしたとは認められないとした事例


... ▼ 平成24年11月1日裁決 《ポイント》  本事例は、代表者の妻が個人的に使用している請求人名義の車両は、代表者の妻が無償で専属的に使用していると認められるから、当該車両の使用につき通常支...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...70303.html

取締役会長に支払われた役員報酬及び役員退職給与には、不相当に高額な部分の金額が含まれているとは認められないとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.63 - 309頁  原処分庁は、請求人が取締役会長に支払った役員報酬の額及び退職給与の額につき、同人は長期入院のため通常の勤務ができなかったものであり、非常勤取締役と認められ...

詳細を表示する