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▼裁決事例集 No.79
 請求人は、投資事業有限責任組合は構成員課税となっており、当該組合が有する資産、負債等については出資割合に応じて各組合員に直接帰属することになるから、その帰属損益額の計算を純額方式により計算している場合であっても、当該組合が有する株式のうち組合員である請求人の出資割合に応じた部分については請求人が直接有しているとして評価損を計上することができる旨主張する。
 しかしながら、組合員である法人が純額方式により組合事業に係る帰属損益額の計算をしている場合には、組合員が組合事業における配当金に係る収入や引当金に係る対象資産等を帳簿等で個別に計上しない等、組合事業における収入、原価、費用等及び資産、負債等の具体的な内容について、組合員が個別に認識することなく、その損益の計算結果だけを当該組合事業から受ける損益として認識しているものと考えられるところ、法人税法第33条第2項は、金銭債権を除く資産につき災害による著しい損傷その他の政令で定める事実が生じたことにより、当該資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなった場合に、損金経理により資産の帳簿価額を減額することを要件として評価損を認めているから、資産等を自らの帳簿等で個別に計上することのない純額方式においては、組合事業における資産の評価損は組合員の損金の額に算入できないと解するのが相当である。そして、請求人は、純額方式により組合事業に係る損益を計算しているから、本件評価損を損金の額に算入することは認められない。
《参照条文等》
法人税法第33条
法人税基本通達14−1−2
平成22年2月17日裁決




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