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▼ 裁決事例集 No.73 - 168頁
 請求人は、請求人が従事する業務は、いずれも夫の営む事業に包含される業務であるから、請求人は「居住者の営む事業に従事するもの」に当たり、請求人の年間従事日数及び年間従事時間は、夫の所属事務所の従業員のそれらの2分の1をはるかに超えており、かつ「その年を通じて6月を超える」こととなるから、請求人は「専ら夫の事業に従事する者」に該当するにもかかわらず、原処分庁が、請求人が従事する各業務について「夫婦間の相互扶助の範囲内のもの」とすることは、青色事業専従者給与を規定する法の沿革にも、労働には当然に報酬が支払われるべきだとする現今の社会常識にも、はたまた憲法感覚にも馴染まない違法で誤った考え方であり、このことは請求人の幸福追求権、勤労の権利、基本的人権を侵害するもので、憲法に反し違法である旨主張する。
 しかしながら、原処分庁の主張は、請求人は夫の業務に従事しているが、それは「夫婦間の相互扶助の範囲内のもの」であるから無償であるべきであるという趣旨ではなく、所得税法第57条第1項及び同法施行令第165条に基づいて「専らその居住者の営む事業に従事」したか否かを判定するに際して、請求人の労務の提供は、労務の内容、所要時間ないし頻度からすれば、社会通念上、夫婦の相互扶助の範囲内の行為あるいは日常生活の一環としての行為であり、「夫の事業に専ら従事するものではない」とするものであるから、請求人の主張は前提を誤るものである。仮に請求人の主張が、そのような法令の規定自体が憲法に違反するという趣旨であるとすれば、その判断は当審判所の権限外のことであり、審理の限りではない。
 そして、請求人が従事する労務の内容ないし態様、要する期間ないし時間及び頻度を見ると、請求人が主張する各業務のうち、試算表の作成等及び銀行に出向いて各種手続を行うこと以外の業務については、これに従事しているとは認められないものであり、また、試算表の作成等及び銀行に出向いて各種手続を行うことについては、請求人がこれを行っていたとしても、その労務は一時的ないし臨時的なものであって、請求人が夫の事業に専ら従事する期間がその年を通じて6月を超えるとは認められない。
 したがって、請求人は、青色事業専従者とは認められない。
平成19年1月18日裁決




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