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▼ 裁決事例集 No.75 - 546頁
 相続税法第55条においては、民法の規定による相続分の割合について、同法第904条の2を除く旨規定しているが、その趣旨は、寄与分は、具体的には共同相続人間の協議又は家庭裁判所における審判によって初めて明らかになるのが一般的であることから、遺産が未分割である場合には寄与分も具体的に定まっていないことが多いことを踏まえ、相続税法第55条に規定する相続税の課税価格の計算ができなくなることを防ぐことにあることからすれば、同条の規定は、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合について、これを相続分の算定に反映させることを排除する趣旨とまで解することはできない。また、同条にいう「相続分の割合」とは「共同相続人が他の共同相続人に対しその権利を主張できる持分的な権利の割合」をいうところ、先行する遺産分割により、寄与分に応ずる取得財産が具体的に定められている場合には、当該取得財産額については、穴埋方式による共同相続人の未分割財産の取得可能額の計算の基礎となる財産の価額から除外される(ただし、当該除外された寄与分に応ずる取得財産額は、寄与相続人の課税価格に加算されて、同人の具体的な課税価格が算定されることになる。)と解しても、共同相続人が他の共同相続人に対してその権利を主張できる持分的な権利の割合を適正に計算することの妨げとはならないとともに、それは寄与分に関する民法の定めや共同相続人の意思にも沿うものであり、その解釈は、同条の趣旨に照らしても合理的なものというべきである。
 
そうすると、本件相続において共同相続人の寄与分として具体的に確定している財産の価額は、穴埋方式による未分割遺産に係る各共同相続人の取得可能財産額の計算の基礎となる財産の価額から除外して計算するのが相当である。
平成20年5月29日裁決




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