TOP 開示資料 トピック 賠償事例 裁決事例 関係法令 法令翻訳 英訳情報 用語英訳


<<  戻る


▼ 裁決事例集 No.67 - 299頁
 請求人は、相続により取得した建物の減価償却費の計算について、所得税基本通達49−1において、所得税法施行令第120条第1項第1号に規定する「取得」には、相続による取得を含む旨定めているが、法律又は政令で明確に規定がない限り、その「取得」には相続による取得は含まないこと、所得税法第60条第1項は、相続により取得した資産の取得費について、その者が引き続きこれを所有していたものとみなす旨規定していることから、減価償却資産の償却の方法も承継が認められるべきである旨主張する。
 しかしながら、不動産の取得とは、その所有権の取得にほかならず、民法は、その取得原因(取得方法)として、売買や贈与などの契約及び相続などの承継取得、また、時効取得などの原始取得についても規定していることから、相続についても売買等の契約と同様に取得原因になりうると解される。
 また、所得税法第60条第1項の規定は、単純承認に係る相続による資産の移転について、被相続人がその資産を保有していた期間中に発生した値上がり益をその相続人の所得として課税しようとする趣旨のもので、その相続人の譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費について、被相続人がその資産を取得した時から相続人がその資産を所有していたものと擬制して取得費の計算を行うために設けられたものである。そして、減価償却資産の取得価額について規定した所得税法施行令第126条第2項において、相続により取得した減価償却資産の取得価額について、相続人が被相続人の取得価額を引き継ぐ旨規定しているが、その規定は、減価償却資産について、被相続人が選定していた償却の方法を相続人が引き継ぐことまで規定したものではなく、償却の方法については、同法施行令第120条に規定するとおりであるから、請求人の主張にはいずれも理由がない。
 したがって、平成14年1月4日の相続により取得した本件建物の償却の方法については、所得税法施行令第120条第1項第1号ロの平成10年4月1日以後取得した建物に該当するので、本件建物の償却の方法は定額法となる。
平成16年3月8日裁決




類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

原処分庁が配偶者が取得したと主張する財産は、遺産分割協議以前より存在し、当該遺産分割協議で子が取得したものと認めるのが相当であるから、配偶者が相続により取得した...


... ▼ 裁決事例集 No.67 - 543頁  原処分庁は、本件構築物を、第一回遺産分割協議書作成後に新たに発見された財産であるとして、第二回遺産分割協議書に基づき、妻Mが取得したものと主張するが、本件...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

相続により取得した各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないと判断した事例(平成27年12月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処...


... ▼ 令和元年9月17日裁決 《ポイント》  本事例は、相続により取得した各土地について、貸借関係における権利金の有無、支払地代の水準、貸主と借主との関係及びその契約の経緯や趣旨を総合的に考慮す...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...40000.html

相続財産の一部は被相続人の遺産ではないこと及び被相続人と他の相続人との死因贈与契約は有効であるとした判決は、国税通則法第23条第2項第1号に規定する「判決」に該...


... ▼ 裁決事例集 No.75 - 1頁  原処分庁は、請求人は本件被相続人の遺産として本件被相続人名義の土地及び本件被相続人名義の預金のうち59,055千円(本件被相続人名義の土地と併せて「本件H名義...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

土地上に建物を有していた被相続人が当該土地の所有者に対し地代として支払っていた金員は、当該土地の使用収益に対する対価であると認められないから、被相続人が当該土地...


... ▼ 平成29年1月17日 《ポイント》  本事例は、土地上に建物を有していた被相続人が当該土地の所有者に対し地代として支払っていた金員が、当該土地の固定資産税等年税額を超えていたものの...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

取引相場のない出資の評価において負債に含まれる未納法人税額は受取生命保険金から死亡退職手当金を控除して計算すべきであるとした事例


... 裁決事例集 No.23 - 189頁  被相続人の死亡により本件会社(有限会社)が生命保険金を取得し、その生命保険金を原資として、被相続人に対する死亡退職手当金が支払われた場合において、仮決算を行わ...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...10000.html

被相続人の相続開始数日前に相続人によって引き出された多額の金員は、被相続人によって費消等された事実はないことから相続財産であると認定した事例


... ▼ 平成23年6月21日裁決 《ポイント》  本事例は、相続開始数日前に相続人によって引き出された50,000,000円もの金員の使途について、相続人は不自然、あいまいな申述をするのみで、不明のまま...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...10200.html

遺産の代償分割に当たり他の相続人に支払った金額は、当該代償分割によって取得した資産の譲渡所得の金額の計算上、譲渡資産の取得費の額に算入できないとした事例


... 裁決事例集 No.21 - 72頁  いわゆる代償分割の方法により遺産分割を了して相続した資産を譲渡した場合、その代償分割に際して負担することとなる債務は、相続人相互における各取得財産の価額を調整す...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

相続により取得した賃貸用建物については、中古資産としての耐用年数を適用することができないとした事例


... ▼平成24年3月1日裁決 《ポイント》  この事例は、請求人の配偶者が所有し、賃貸の用に供していた建物等を同人の死亡により請求人が相続し、これを賃貸の用に供して不動産所得を得ていたところ、当該不動産...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

平成14年1月4日の相続により取得した建物の減価償却費の計算及びその方法は定額法によるとした事例


... ▼ 裁決事例集 No.67 - 299頁  請求人は、相続により取得した建物の減価償却費の計算について、所得税基本通達49−1において、所得税法施行令第120条第1項第1号に規定する「取得」には、相...

詳細を表示する