TOP 開示資料 トピック 賠償事例 裁決事例 関係法令 法令翻訳 英訳情報 用語英訳


<<  戻る


▼ 平成28年11月8日裁決
《ポイント》
 本事例は、相続財産と認定された家族名義預金の一部については、その原資、管理及び運用の実態から相続財産に当たらないと判断したものである。

《要旨》
 原処分庁は、被相続人の子(P1)の配偶者(P5)名義の各貯金(P5名義各貯金)及びP1とP5の子(P10)名義の各定期預金(P10名義定期預金1及びP10名義定期預金2)について、P5及びP10に当該各預貯金を形成する資力があったとは認められず、また、当該各預貯金の管理及び運用は、被相続人及び被相続人の配偶者が共同して行っていたと認められ、そのほかに贈与があったと認められる事実もないことから、当該各預貯金は被相続人に帰属する相続財産である旨主張する。
 しかしながら、P5名義各貯金及びP10名義定期預金1の原資は、いずれもP5名義の普通預金口座(P5名義口座)から引き出された金員、又はP5名義口座から引き出された金員を原資とする貯金の払戻金であると認められるところ、P5名義口座においては、公共料金等の支払のほか小口の入出金が大半を占めていること、当該口座はP1とP5が婚姻後早々に設定されたものであり、その印鑑票の筆跡はP5のものであること、P1が生活費等の名目で受け取った金員はP5が管理していたこと及び当該口座の通帳はP5が管理していたことなどの事実に照らせば、P5名義口座の預金はP5又はP1に帰属する財産であると認められ、P5名義口座から引き出された金員を原資とするP5名義各貯金及びP10名義定期預金1の出捐者が被相続人であるとは認められない。また、P10名義定期預金2については、P1を受取人とする保険の満期保険金を原資とするものであり、当該満期保険金をP1以外の者が受け取ったと認めるに足る事情や証拠資料もない以上、当該定期預金の出捐者はP1であると認められる。そうすると、P5名義各貯金、P10名義定期預金1及びP10名義定期預金2の出捐者が被相続人であるとは認められず、他に当該各預貯金について、被相続人に帰属する財産であることを裏付ける事情や証拠資料も存しないから、P5名義各貯金、P10名義定期預金1及びP10名義定期預金2は本件相続に係る相続財産と認めることはできない。





類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

外国籍を有する者への不動産の譲渡対価の支払時において、譲渡人は外国へ出国しているものの、多額の資産を国内に残したままであること等から判断すると、出国は一時的なも...


... ▼ 裁決事例集 No.49 - 374頁  原処分庁は、Lマンション3室(本件不動産)の譲渡人は、[1]A国の国籍を有していること、[2]本件不動産の譲渡対価(本件譲渡対価)の支払時前の出国に先立ち...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...20000.html

遺産分割がなされていない場合であっても、配偶者が金融機関から払戻しを受けた法定相続分相当の預金は、配偶者にかかる相続額の軽減の適用上、「分割された財産」として更...


... ▼ 裁決事例集 No.59 - 282頁  相続税法第19条の2第2項は、「分割されていない財産」は配偶者の税額軽減の対象に含めない旨規定しており、また、同法第32条6号は、この「分割されていない財...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...20000.html

申告されなかった相続人名義の預金等について、被相続人の財産であるとの明確な認識はなかったことなどから、相続税法第19条の2第5項に規定する「隠ぺい仮装行為」はな...


... ▼ 平成23年11月25日裁決 《要旨》  原処分庁は、被相続人の配偶者である請求人Fが相続税の申告をするに際し、相続人名義の預金等(本件預金等)を相続財産に含めずに過少申告したことについて...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...20000.html

家族名義預金の一部は相続財産に当たらないと判断した事例(平成24年2月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、決定処分及び無申告加算...


... ▼ 平成28年11月8日裁決 《ポイント》  本事例は、相続財産と認定された家族名義預金の一部については、その原資、管理及び運用の実態から相続財産に当たらないと判断したものである。 《要旨》 ...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...30100.html

請求人が専従者給与を支給したとして事業所得の金額の計算上必要経費に算入したことに隠ぺい・仮装の事実があったとして行った重加算税の賦課決定処分は適法であるとした事...


... ▼ 裁決事例集 No.63 - 63頁  請求人は、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する仮装、隠ぺいの事実は全くなく、重加算税の賦課決定処分は違法であり取り消されるべきである旨主張する。 ...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...40000.html

請求人の預金口座に入金された滞納者が受領すべき譲渡代金の一部については、当該預金口座の入出金状況等から当該金員が請求人の処分権限内に移転したとはいえず、滞納者か...


... ▼ 平成23年3月23日裁決 《要旨》  原処分庁は、本件滞納者が受領すべき譲渡代金の一部が、本件滞納者が代表取締役を務めていた法人の普通預金口座から請求人の普通預金口座(本件請求人口座)に振り替え...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...00000.html

共同相続人や遺産の範囲は確定しており、客観的に遺産分割ができ得る状態であったから、請求人が行った相続税の申告期限から3年以内に遺産が分割されなかったことについて...


... ▼ 平成26年6月2日裁決 《要旨》  請求人らは、本件相続に係る財産が本件相続に係る申告期限の翌日から3年を経過する日(本件申告期限3年経過日)までに分割されなかったことにつき、租税...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...40000.html

請求人の代表取締役として実質的に経営の主宰者と認められる者の行った売上金額の除外、個人名義預金等への留保は、請求人の隠ぺい又は仮装行為と同視すべきであるとした事...


... ▼ 裁決事例集 No.46 - 15頁  請求人は、売上金の一部除外、個人名義預金等への留保は、専ら専務取締役個人の背任行為であって、請求人の代表者は、関知さえしていなかったから、請求人に隠ぺい又は...

詳細を表示する

裁決事例 https://www.kfs.go.jp/service/...30100.html

請求人に帰属する歯科医業に係る所得を、請求人の親族に帰属するがごとく装うために親族名義の確定申告書及び決算書を税務署長に提出したことが、国税通則法第68条第1項...


... ▼ 裁決事例集 No.67 - 57頁  本件事業は、請求人の親族の名義で行われているが、当該親族は、医院の経営に関与せず、毎月定額の報酬を受領しているのみで、本件事業から生じた収入金額を費消したと...

詳細を表示する