▼ 裁決事例集 No.49 - 443頁 請求人は、平成元年3月29日に、収益事業である旅館業の用に供していた本件不動産の売買契約を締結し、消費税法取扱通達9−1−13(固定資産の譲渡の時期)のただし書により、同日を資産の譲渡の日として、本件建物に係る譲渡の対価の額を平成元年4月1日から開始する本件課税期間の消費税の課税標準額に含めないで申告したところ、原処分庁は、平成元年7月1日以降が本件建物の引渡しの時期であるとして、本件建物の譲渡対価の額を本件課税期間の消費税の課税標準に含めて更正処分をした。 請求人は、上記通達のただし書に関し、当該契約の効力発生の日を譲渡の日とすることは、請求人が契約の効力発生の日を譲渡の時期としたことを認識していれば足りる旨主張するが、法人にあっては契約の効力発生の日を譲渡の時期として経理処理をしているときという意味と解される。請求人の経理処理は、平成元年3月31日現在、本件不動産を請求人の基本財産として計上し、本件不動産の譲渡収入を平成元年4月1日から平成2年3月31日までの事業年度の収益として計上していることから、本件建物の譲渡については、事業者が当該固定資産の譲渡に関する契約の効力発生の日を資産の譲渡の時期としているときに該当しないので、原則としての取扱いにより引渡しの日が譲渡をした時となる。 本件不動産は、平成元年7月17日にその引渡しがあったことは明らかであるから、本件不動産の譲渡が消費税の適用日以後の取引であるとして、本件建物の譲渡価額を本件課税期間の課税標準額に加算した原処分は適法である。 平成7年1月27日裁決 |
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