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▼ 平成29年3月3日裁決
《ポイント》
 本件における滞納者から請求人に対する診療報酬債権の譲渡契約を譲渡担保設定契約とみることは相当でない。
《要旨》
 原処分庁は、滞納者(本件滞納者)が将来取得する診療報酬債権(本件各債権)を請求人に一括で譲渡した取引(本件取引)については実質的な買戻権が設定され、売渡担保に相当する法律関係にあると認められ、また、将来の集合債権の譲渡が売買又は譲渡担保のいずれの法的性質を有するかの判断については、契約条件、取引の経済的実質その他の要素を総合的に評価するなど、実質においても担保取引として扱われるべきものかを判断することとなるところ、本件取引における事情を考慮すると、譲渡担保であることが強く推認され、本件各債権は、国税徴収法第24条《譲渡担保権者の物的納税責任》第1項に規定する譲渡担保財産に当たる旨主張する。
 しかしながら、譲渡担保設定契約は、法形式に着目すると、金銭消費貸借契約などに基づく被担保債権が存在することが前提となる譲渡担保設定契約、担保のための権利の移転につき売買の形式をとるもので、買戻特約付売買の形式をとる譲渡担保設定契約又は再売買の予約の形式をとる譲渡担保設定契約とに大別されるところ、本件取引においては、被担保債権は存在せず、本件取引に係る契約(本件契約)には、買戻特約又は再売買の予約は付されていないことから、本件取引は及びのいずれにも該当しない。また、本件契約には、本件滞納者が、第三債務者に信用不安等が生じた場合に請求人から本件各債権を買い戻す義務の定め及び請求人による本件各債権の処分を禁止又は制限する定めはなく、本件滞納者に本件各債権を買い戻す誘因も認められない。
 したがって、本件各債権は譲渡担保財産には当たらない。
《参照条文等》
 国税徴収法第24条
 《参考判決・裁決》
 大審院昭和8年4月26日判決(民集12巻767頁)




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