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▼ 平成25年12月9日裁決
《ポイント》
 本事例は、増資によって株式の価額が減少したことは、発行済株式の総数と資産の額に変動が生じた結果にすぎず、そのことを捉えて増資が被差押財産である株式そのものに対する処分であるということはできないとしたものである。

《要旨》
 原処分庁は、主たる納税者(本件滞納会社)の滞納国税を徴収するために、請求人に対して国税徴収法第35条《同族会社の第二次納税義務》に基づきなされた第二次納税義務の限度額について、当該限度額は滞納者が所有する株式の価額であり、その株式の価額は納付通知書を発する時における同族会社の資産から負債の総額を控除した額をその株式の数で除した額を基礎として計算した額によると規定されているところ、請求人が発行した株式(本件株式)は原処分庁が差し押さえていることから、本件滞納会社が請求人に新株を発行させたこと(本件増資)は、本件株式の価値を減少させる行為であり、請求人は原処分庁に対し新株発行の効力を主張できず、本件株式の価額は本件増資前の株式の総数を前提に計算するべきである旨主張する。
 しかしながら、そもそも差押処分による処分禁止効とは、被差押財産そのものに対する処分を禁止する効力をいい、本件増資は、被差押財産である本件株式そのものに対しての処分ではないことから、本件株式の価額は、本件増資後の発行済株式の総数をもって評価すべきである。したがって、請求人は当該評価額を限度として第二次納税義務を負うべきであり、この額を超えて請求人に負わせた原処分庁の第二次納税義務は違法であるから、その一部を取り消すべきである。

《参照条文等》
 国税徴収法第35条






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