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▼ 平成24年12月3日裁決
《ポイント》
 本事例は、贈与を受けた債券(元利均等償還が行われる社債)の利子に係る所得は、年金受給権に関する相続税と所得税の二重課税についての最高裁平成22年7月6日第三小法廷判決の射程等が及ばないと判断したものである。
《要旨》
 請求人は、父から贈与を受けた本件債券(元利均等償還が行われる社債)に係る第1回目の償還額(本件償還額)のうち、当該債券に係る償還予定表において利息相当額とされる部分(本件金員)について、本件債券に係る贈与税及び所得税の課税関係は、年金受給権に関する相続税と所得税の二重課税についての最高裁判所判決(平成22年7月6日第三小法廷判決・民集64巻5号1277頁。(本件最高裁判決))の射程に含まれるものであり、同判決の内容に沿った課税処理がなされるべきであるから、本件金員は、その一部が所得税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第9条《非課税所得》第1項第15号に規定する非課税所得に該当する旨主張する。
 しかしながら、本件債券は、本件最高裁判決における年金受給権とは、ある期間定期的に金銭の給付を受けるという形態は類似するものの、当該年金受給権は相続税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第24条《定期金に関する権利の評価》に規定する「定期金給付契約に関する権利」に該当するものであるのに対し、本件債券は「社債」に該当するものであり「定期金給付契約に関する権利」に該当しないものであること、当該年金受給権は元本部分と運用益部分とが区分されていないものであるのに対し、本件債券の各償還額は元本部分と利息(運用益)部分とが約定において明確に区分されているものであることからすれば、その権利の性質・内容が明らかに異なるものというべきである。そうすると、本件債券及び本件償還額について、本件最高裁判決の解釈をそのまま当てはめて、本件最高裁判決の示した課税関係と同様の課税処理をするのは相当ではない。そして、本件債券は、第1回目の償還日から最終回の償還日まで各元本の償還額及び各利息額等があらかじめ元利均等償還となるように組成され、発行時に償還予定表によってそれらの各金額を明示した金融商品であるから、本件金員は、本件債券(元本)に対する利息であり、運用益に相当するものであるから、非課税所得に該当しない。
《参照条文等》
 所得税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第9条第1項第15号
 相続税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第24条
 財産評価基本通達197−4
《参考判決・裁決》
 最高裁平成22年7月6日第三小法廷判決(民集64巻5号1277頁)




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