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▼ 裁決事例集 No.70 - 20頁
 請求人は、源泉徴収票を交付して、第三者に申告手続の代行を委任したものの、当該第三者が作成した確定申告書、収支内訳書及び報酬・料金等の支払調書は、請求人の了解を得ず、不正な還付請求申告をするために作成されたものであるので、請求人の意思に基づかず、当該確定申告書は無効であり、当該第三者がした隠ぺい・仮装行為の効果は請求人には及ばないので、重加算税の賦課決定処分は取り消されるべきである旨主張する。
 しかしながら、納税者自らの判断と責任で自主的に申告納税する申告納税制度の下において、納税者の判断とその責任において、申告手続の代行を第三者に一任し、その者が納税者に代わって申告した場合には、その申告は、そのまま申告名義人である納税者が行った申告として取り扱うべきものと解されるところ、請求人は、友人を介して、申告手続の代行を当該第三者に一任しているので、請求人が申告内容を承知しているか否かにかかわらず、当該確定申告は、申告名義人である請求人の行った申告として取り扱うべきであって、その効果は請求人に及ぶ。
 また、納税者が納税申告を第三者に委任した場合において、当該第三者がした隠ぺい・仮装行為に基づく申告について、納税者がどこまで責任を負うべきかについては、納税者と当該第三者との関係、当該行為に対する納税者の認識及びその可能性、納税者の黙認の有無、納税者が払った注意の程度等に照らして、個別的、具体的に判断されるべきものであり、納税者が当該第三者に対する選任、監督上の注意義務を尽くすことにより、当該第三者の隠ぺい・仮装行為を防止することできた場合には、当該第三者の不正行為を納税者の行為と同一視し得るものとして、その防止を怠った当該納税者に対し、重加算税を賦課することができると解すべきであるところ、請求人は、当該第三者に対する選任、監督上の注意義務を尽くさなかったと認められることから、当該第三者による隠ぺい・仮装行為は、請求人の行為と同一視し得るものとして、請求人に対し重加算税を賦課することができる。
 したがって、請求人の主張にはいずれも理由がない。
平成17年10月26日裁決




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