▼ 裁決事例集 No.65 - 566頁 原処分庁は、土地の売買契約締結後、同契約完了までの間に売主に相続が発生した場合、その相続税の課税財産は売買残代金請求権であり、その価額は債権として評価すべきである旨主張する。確かに、当該売買契約に係る、売主及び買主双方の義務が、各々誠実に履行され、同債権が確定的に被相続人に帰属していることを肯定できる場合であれば、そのように解釈すべきである。 しかしながら、本件の場合、本件農地に係る不動産売買契約については、売主である被相続人側の責めに帰すべき理由が何等ないにもかかわらず、もっぱら買主側の事情により履行が遅延し、契約締結後2年8か月経過した相続発生の日においても遅延状態にあり、最終的にも、契約締結後約4年4か月、予定された契約履行の日から約3年4か月、相続開始から約1年7か月経過後に解除されたことからすれば、本件相続開始時点において、同契約に係る売買残代金請求権が確定的に被相続人に帰属していたことを肯定できないため、その課税財産は本件農地と認めるのが相当である。 平成15年1月24日裁決 |
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