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▼ 裁決事例集 No.64 - 274頁
 請求人は、本件家屋(鉄筋コンクリート造陸屋根7階建ての建物)は、その構造上区分された数個の部分を独立して住居、その他の用途に供することができるものであるから、住宅借入金等特別控除の対象となる家屋の床面積基準の判定に当たっては、本件家屋の登記簿等の形式的な記載ではなく、実質主義に照らし、本件居住用部分(本件家屋の6階及び7階部分)の床面積により判断されるべきである旨主張する。
 しかしながら、一棟の建物につき区分所有が成立するためには、建物の各部分が独立の構造を有し、構造上区分された各部分が独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用に供することができるだけでは足りず、その各部分が所有権の客体として、取引上、別個のものとされることが必要で、その前提として、所有者において各部分を別個の建物とする意思が必須の要件であるとされている。
 そして、その意思が客観的に外部から認識され得るものでなければ、区分された部分が別個のものとして取引の対象とはなり得ないから、一棟の建物が同一人の所有に属するときは、区分された部分が別個のものであることを客観的に認識し得るものとして区分建物の表示登記又は保存登記がなされることを要すると解される。
 したがって、その登記がなされていない限り、同一人の所有に属する一棟の建物は一個の建物であるとするのが相当である。
 本件において請求人は、本件居住用部分を区分せず、本件家屋を一棟の建物として表示登記をし、請求人を所有者とする所有権保存登記をしているのであるから、本件居住用部分につき区分所有が成立していると解することはできず、本件家屋が一棟の建物を区分したものであると認めることはできない。
 そうすると、本件家屋が租税特別措置法施行令第26条第1項に規定する要件に該当するか否かの判定に当たっては、本件居住用部分のみで判断すべきでなく、本件家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されているか否かにより判断することとなる。
平成14年10月25日裁決




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