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▼ 裁決事例集 No.67 - 589頁
 請求人らは、本件土地の価額について、相続開始日における本件土地に係る路線価は、相続後に本件土地を譲渡した際の価額を上回っているから、当該譲渡価額を基に評価すべきであると主張する。
 しかしながら、本件土地について、路線価を基礎として算定した評価額(単価)は、同じP市p町に位置し、都市計画法上の用途地域や建築基準法上の規制も同じである本件公示地の公示価格を基礎として算定した価格を下回っていることから、本件土地に係る路線価は本件土地の時価を上回っているとはいえない。
 また、請求人らは、本件土地の価額は、本件譲渡価額の7割相当額とすべきである旨主張するが、評価水準は、課税行政庁内部において土地の評価に関する取扱いを統一するに当たり、評価の安全性にも配慮しながら均一な評価を効率的に行うために取り入れられているものであって、実務上少なくともこれを乗じた価額を下回ることは通常ないであろうと認めるところにより課税処分等をするための計算上の一要素にすぎないものであるから、土地の時価を個別の事情に基づき個々に求める場合に評価水準をしんしゃくすべき合理的な理由は全くなく、本件土地の価額は、本件譲渡価額の7割相当額とすべきであるとの請求人らの主張は採用できない。
 さらに、請求人らは、以上の主張が認められないならば、本件土地の価額は、請求人らが把握している本件公売価額に基づき算定すべきであるとも主張するが、公売は、換金を目的とした強制売却であるという特殊性を有しており、その売却価額が客観的時価より低額であるのが通例であると認められること、また、本件公売地と状況が類似し、本件土地と同一区域内の土地の売買実例との比較においても、本件公売価額を本件土地の時価と認めることはできない。
平成16年4月12日裁決




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