▼ 裁決事例集 No.75 - 215頁 請求人は、本件株式の実際の取得価額(以下「本件実際取得価額」という。)を証明できる取引報告書を所持しているから、たとえ本件株式がA証券会社の特定口座にみなし取得価額で受け入れられていても、本件実際取得価額を取得費として認めるべきである旨主張するが、特定口座に受け入れられる特例上場株式等の取得価額を本件実際取得価額とするためには、当該取引報告書を証券会社に提出して営業所の長の確認を受ける必要があるところ、請求人は当該取引報告書を証券会社に提出していない。そうすると、請求人は、当該取引報告書を所持しているものの、同報告書に基づいて本件実際取得価額で特定口座に受入れをするための手続を履行しなかったのであるから、本件実際取得価額に基づいて本件株式に係る譲渡所得の金額の計算上控除すべき取得費を計算することはできないというべきである。 上場株式等の譲渡を行う個人投資家の特定口座制度の利用等については、その個人投資家の自由な判断にゆだねられており、請求人は、特定口座を利用せず、あるいは特定口座を設定しても本件株式を特定口座に保管の委託をせずに本件株式を譲渡することにより本件実際取得価額をもって本件株式の譲渡に係る譲渡所得の金額を計算することもできたところ、請求人が自由な判断に基づいて、特定口座制度の利用を選択し、かつ、本件株式を当該口座へ保管の委託をしたものというべきであるから、国の制度変更により本件実際取得価額に基づいて本件株式に係る譲渡所得の金額を計算することができなくなったということはできない。 平成20年5月19日裁決 |
類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例
特例上場株式等の特定口座への受入れの際に、証券会社に対し実際の取得価額を証明する取引報告書を提出していないことから、実際の取得価額に基づいて株式等に係る譲渡所得...
...
▼ 裁決事例集 No.75 - 215頁
請求人は、本件株式の実際の取得価額(以下「本件実際取得価額」という。)を証明できる取引報告書を所持しているから、たとえ本件株式がA証券会社の特定口座にみな...
詳細を表示する
特定口座内において受入非特定上場株式等を譲渡した場合におけるその取得価額は、実際の取得価額ではなく、みなし取得価額であるとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.72 - 184頁
本件株式は、請求人がD証券株式会社からA証券B支店に現物を持ち込み、保管委託されていたものが、特定口座の開設とともに同口座に移管されたものであるから、受入...
詳細を表示する
上場株式が株式としての価値を失ったことによる損失は事業所得又は雑所得の必要経費に算入することができるとした事例
...
▼ 平成24年9月25日裁決
《ポイント》
本事例は、いわゆる一般口座で保管していた上場株式が株式としての価値を失ったことによる損失の金額は、当該上場株式を含む株式の譲渡による所得が事業所得又は雑...
詳細を表示する
外国市場で売却した株式代金の売却約定時の邦貨換算は同日の対顧客電信買相場(TTBレート)により、代金決済時の邦貨換算は先物為替予約レートによるのが相当であるとし...
...
▼ 裁決事例集 No.65 - 206頁
L証券が本件株式を外国証券会社に保護預かりしていないこと等から判断すると、L証券は本件株式の売却について委託の取次ぎ、委託の媒介及び代理を行ったとは認めら...
詳細を表示する
新株予約権の行使に伴い生じた経済的利益は雑所得に該当し、また、新株予約権の取得についての情報提供者に支出した手数料は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるとし...
...
▼ 裁決事例集 No.76 - 136頁
請求人は、民法上の組合を通じて取得した新株予約権の行使による経済的利益は一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、新株予約権を有利発行した法人は、その新...
詳細を表示する
源泉徴収を選択した特定口座を通じて行った特定口座保管上場株式の譲渡について、選択により約定日の時点で総収入金額に算入することはできないとした事例(平成26年分の...
...
▼ 平成29年5月8日裁決
《ポイント》
本事例は、法令解釈を基に、源泉徴収選択口座の制度を利用することを選択した者は、同制度において前提とされる計算と異なる日を選択して申告することは予定さ...
詳細を表示する
扶養親族に該当するための所得要件である合計所得金額の計算においては、租税特別措置法第37条の12の2《上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除》第1項の規定は適用され...
...
▼ 裁決事例集 No.73 - 250頁
請求人は、租税特別措置法(平成17年法律第21号による改正前のものをいい、以下「措置法」という。)第37条の12の2第4項は、同条第1項の規定(以下「本件...
詳細を表示する
上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の特例について、連続して確定申告書が提出されていないため適用することはできないとした事例(平成24年分の所得税の更正の請求に対...
...
▼ 平成28年3月7日裁決
《ポイント》
本事例は、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の特例の適用について、譲渡損失の発生年分以降、確定申告書が時系列的に連続して提出されていることが要件であると...
詳細を表示する
取引相場のない株式の評価を純資産価額方式で行うに当たって、評価会社が土地収用に伴い取得した代替資産の価額は、圧縮記帳後の価額ではなく財産評価基本通達の定めにより...
...
▼ 裁決事例集 No.71 - 606頁
請求人らは、相続により取得した取引相場のない株式の価額を純資産価額方式で算定するに当たって、評価会社が土地・建物等の収用等に伴って取得した代替資産について...
詳細を表示する