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▼ 平成23年8月2日裁決
《ポイント》
 この事例は、財団不足の場合においても、破産手続によらずに、破産手続開始決定後に確定した還付金等を国税通則法第57条の規定により、財団債権である未納国税に充当することができるとしたものである。
《要旨》
 請求人は、財団不足の場合に財団債権となる租税債権に還付金等の充当をすることは、財団債権者間の優先順位を変更することとなるので、最優先の財団債権である破産手続費用、破産管財人報酬の全額支払が確実になり、各財団債権者に対するあん分支払額が確定するまで還付を留保し、その後、破産管財人からあん分支払額が通知されてから、その通知額に従い充当処理を行うべきである旨主張する。
 しかしながら、破産債権は、破産法に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ行使できないが、財団債権は、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権であり、破産債権に先立って弁済されるものであるから、破産債権に優先して満足を受けられる債権である。これに財団不足の場合であるか否かを問わず、破産債権となる租税債権に還付金等を充当することができることを併せて考えると、財団債権となる租税債権に還付金等を充当できると解するのが相当である。
 ところで、委託納付とは、納税者が、税務署長等に対し、その受領すべき還付金等により未納の国税等の納付を委託したものとみなされ、同委託に基づき税務署長等が同還付金等を同未納国税等に収納する手続を行うことをいい、これにより、法律上当然にその委託納付に相当する額の還付及び納付があったものとみなされるところ、委託納付の効果は、法律上擬制される納税者自らの委託に基づくものであって、税務署長等による公権力の行使によるものではなく、「国税に関する法律に基づく処分」には該当しないことから、本件各委託納付に対する審査請求は不適法なものである。
《参照条文等》
 国税通則法第57条第1項
 地方税法附則第9条の10第1項
 破産法第2条第7項、第100条第2項2号、第152条
《参考判決・裁決》
 大阪地裁平成15年2月14日判決(税資253号順号9283)




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