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▼ 裁決事例集 No.50 - 235頁
 請求人は、被相続人が建築中の本件建物について相続開始日前に賃貸借予約契約を締結し、相続開始日後に賃貸借契約を締結したが、その内容は予約契約とほとんど同じであり、予約金が敷金の一部に充当されているので、賃貸借予約契約は本件建物の竣工引渡日を賃料支払開始日とする賃貸借契約であるから、予約日に賃貸借契約が締結されたとみるべきであり、また、最終賃貸人は相続開始日までに独自で行う1階部分の造作工事の発注を行っており、本件建物に自由に立入ることが可能であったことから、少なくとも1階部分については引き渡されていたというべきであるから、本件建物の敷地は貸家建付地として評価すべきであると主張する。
 ところで、貸家建付地とは、借家権の目的となっている建物の敷地として利用されている現況にある宅地でなければならず、原則として、[1]完成した建物が存在していること、[2]賃借人が建物の引渡しを受けて現実に入居していることあるいは契約上の賃貸借開始期日が到来していること及び[3]通常の賃料に相当する金銭の授受があることあるいはその権利義務が発生していること等の要件をすべて具備する建物の敷地をいうものと解することができる。
 しかし、賃貸借予約契約は将来の賃貸借契約を締結させる義務を確認するものであり、事実上の賃貸借契約の締結と解することはできず、仮に、賃貸借予約契約の締結をもって賃貸借契約の締結がされたと判断しても、相続開始日現在、本件建物は完成しておらず、賃料の支払いもされていないので、上記の要件のすべてを具備していないことになる。
 また、最終賃借人の造作工事の工事期間は平成3年9月1日から同年10月15日までと認められるから、相続開始日(平成3年8月10日)以前に本件建物の引渡しを受けて工事を着工していたと認めることはできず、仮に、工事会社が本件建物に立ち入っていたとしても、請求人は平成3年10月16日に本件建物の引渡しを受けたものであるから、最終賃借人が請求人から便宜の供与を受けたものとしか解せず、賃貸借に基づく占有が開始した結果とは認められない。
 したがって、本件宅地を貸家建付地として評価することはできない。
平成7年11月14日裁決




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