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▼ 裁決事例集 No.59 - 154頁

 請求人は、本店ビルの新築工事に際し、財団法人H機構(以下「H機構」という。)が共同事業者として参加したのは、H機構の成立経緯等から共同事業という法律的形式をとらざるを得なかっためであり、H機構が負担した共同事業に係る分担金の経済的実質は資金融資であるから、本店ビルの建築中にH機構に対して支払った建中金利相当額は、支払利息である旨主張する。法律的形式と経済的実質とが異なるような場合には、単に当事者によって選択された法律的形式だけでなく、その経済的実質をも検討すべきことは当然であるが、当事者によって選択された法律的形式が経済的実質からみて通常採られるべき法律的形式と明らかに一致しないものであるなどの特段の事情がない限り、当事者によって選択された法律的形式は、原則として経済的実質をも表現しているものと解される。
 そこで、H機構との取引についてみると、法律的形式は、H機構が本店ビルの建築費の一部を負担して共同事業者として参加し、本店ビルの竣工後に共有持分を請求人に譲渡したものであるが、この法律的形式が経済的実質からみて通常採られるべき法律的形式と明らかに一致しないものとは認められない。そうすると、請求人には特段の事情は認められず、H機構との共同事業の法律的形式は経済的実質をも表現していると認められる。
 請求人は、本店ビルの新築工事に際し、その共同事業者であるH機構が負担した共同事業に係る分担金の実質は資金融資であるから、本店ビルの建築中にH機構に対して支払った建中金利相当額は、支払利息である旨主張するが、H機構との共同事業協定書、建物延払条件付譲渡契約書等の各契約内容及びH機構の答述等を勘案するとH機構は本店ビルの建築費の一部を負担して共同事業者として事業に参加し、本店ビルの竣工後にH機構の本店ビルの共有持分を請求人に譲渡したものと認められること及び共同事業協定書等には、建中金利相当額はH機構の本店ビルの共有持分の譲渡代金の前払金であることが明記されていることから、共同事業に係る分担金は本店ビルの建築費であり、建中金利相当額は本店ビルの取得代金であると認めるのが相当である。

平成12年4月26日裁決




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