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▼ 裁決事例集 No.69 - 252頁
 請求人は、平成14年の調停期日では、遺産分割についての基本的な合意があっただけで、更正の請求のために相続税の課税価格を具体的に把握できるようになったのは調停調書が作成されてからであるから、相続税法第32条に規定する「事由が生じたことを知った日」は、調停調書の正本の作成日付である平成15年である旨主張する。
 しかしながら、家事調停手続きにより遺産分割がなされた場合には、[1]共同相続人間に遺産分割の調停が成立したことによって、課税価格は未分割のときのそれとは異なることになること、[2]調停期日において遺産分割の合意が成立したことによって、各相続人が取得する遺産の範囲が明らかになり、調停期日に出頭した各相続人はこれを認識し、分割後の課税価格が未分割のときのそれとは異なることとなったことを認識することからすれば、この場合の相続税法第32条に規定される「事由が生じたことを知った日」とは、特段の事情がない限り、遺産分割の合意が成立した調停期日の日と解するのが相当である。
 なお、家事審判法第21条第1項は、「調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決(審判)と同一の効力を有する。」と規定しているが、調停は、当事者間の合意によってなされるという私法行為としその性格とそれが裁判所においてなされ確定判決と同一の効力を有するという訴訟行為としての性格を併せ有するものと解されるから、当事者間の遺産分割の合意の内容が調停調書に記載される前においても、当事者間の合意が成立した調停期日の日には、相続税法第32条第1号に規定される当該財産の分割が行われて課税価格が相続分等の割合に従って計算された課税価格と異なることとなったということができる。
平成17年6月24日裁決




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