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▼ 裁決事例集 No.63 - 703頁
 請求人は、滞納会社から提出された「売掛代金債権担保差入書」には、「債務の根担保として譲渡した」旨の記載があるが、法律行為の解釈は、単なる文言のみによってなされるものではなく、当該法律行為がされた経緯、当事者の意思、効果などを総合考慮してなされるものであるから、本件担保差入書に「貴行において、本件債権の取立ての上は、滞納会社の債務の期限のいかんにかかわらず、ただちに債務の弁済に充当されても異議がありません」と記載されていること及び融資実行の経緯などから明らかなように、本件の債権譲渡は、担保のためではなく、弁済のためにされたものであるから、本件告知処分は違法である旨主張する。
 しかしながら、法律行為の意思表示の解釈に当たっては、意思の表示が一義的であり、しかも意思の表示に関し、表意者と相手方以外の者の利害がかかわる場合には、当事者の意思表示が一義的に合致していること、表示された意思どおりの効果が発生するとの第三者の信頼を保護すべきことに鑑み、表示された意思に基づいて意思表示を解釈し、表示どおりの効果を認めるべきであると解されるところ、これを本件についてみると、債権譲渡に係る担保差入書及び債権譲渡承諾依頼書には「担保とするため」「担保として」譲渡した旨が記載されており、一義的に担保である旨の意思表示がされていると認められ、また、本件債権譲渡は、定型的な処理が要求されている銀行取引の一環として行われており、第三者である原処分庁は本件債権を差し押さえて利害関係を有しているから、本件債権譲渡は、担保の設定として行われたものと認めるのが相当である。
 また、請求人は、国税徴収法第24条の譲渡担保財産には指名債権は含まれない旨も主張するが、同条の担保財産とは、納税者がその所有する財産を債権者又は第三者に譲渡し、その譲渡により、自己又は第三者の債務の担保の目的となっている財産をいい、動産、有価証券、債権、不動産、無体財産権等のほか、法律上まだ権利と認められていないものであっても、譲渡できるもの(手形を除く)は、譲渡担保の目的物とすることができると解されているから、請求人の主張には理由がない。
平成14年3月15日裁決




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