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▼ 裁決事例集 No.72 - 218頁
 請求人は、請求人の父の死亡に伴い、G銀行との間で請求人及び父を連帯債務者とする住宅ローン契約(以下「本件ローン契約」という。)の締結の際にG銀行が加入した、G銀行を保険契約者及び保険金受取人、父を被保険者とする団体信用保険契約(以下「本件団信保険契約」という。)により、本件ローン契約に係る債務は消滅したが、請求人と父との連帯債務の負担割合は、父が10割、請求人が零であるとする暗黙の合意(特約)があったから、請求人が負担すべき債務は一切存在せず、請求人には経済的利益は全くなく、一時所得は発生しない旨主張する。
 また、原処分庁は、本件ローン契約により、請求人には負担すべき債務がある、団体信用保険制度は、死亡事故を基因として、死亡時における賦払償還債務相当額の保険金が保険会社から債権者である金融機関に対して直接支払われるものであり、債務者が一旦保険金を受領し債務の返済に充てるものではないから、当該債務の消滅は債務の返済ではなく金融機関から債務免除を受けたものと解され、当該債務が連帯債務である場合には、被保険者を除く各連帯債務者が実質的に債務を負っている部分について債務免除を受けたことによる経済的利益(債務免除益)が生じたものとみるのが相当であるから、請求人がG銀行から受けた債務免除益相当額は、法人からの贈与により取得したものであり一時所得に該当する旨主張する。
 しかしながら、請求人と父との間の負担付贈与契約は、債権者であるG銀行は当該負担付贈与契約を了知していないことから免責的債務引受とみることはできず、請求人と父との間でのローン債務の負担割合を変更したにとどまると認められ、また、G銀行は本件団信保険契約に係る保険料を全額負担していること、G銀行は受け取った保険金は必ず被保険者の債務に充当するとしていること、被保険者は保険料を負担せず死亡による保険金を受け取る権利を有していないことなどからすれば、本件団信保険契約はG銀行の確実な債権回収を目的とした保険であると認めるのが相当である。
 したがって、被保険者の死亡時点における本件ローン契約の残債務全額に相当する経済的利益は、連帯債務であるという当該債務の性質により、各連帯債務者間における負担割合に応じて生じるものであって、債務免除によるものではなく、また、請求人は父の死亡時点において10割の負担割合を有する連帯債務者であると認められるから、請求人は本件ローン契約の残債務の全額に相当する経済的利益を享受したといえ、当該経済的利益は、営利を目的とする継続的行為から生じたものではなく、役務等の対価性もないから、一時所得に該当する。
平成18年12月15日裁決




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