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賠償事例 税理士職業賠償責任保険 事故事例(2020年7月1日~2021年6月30日) | 日税連保険サービス

取締役賞与の損金算入可否相談において、誤った指導をし、損金算入する機会を失わせてしまったことにより、過大納付法人税額が発生した事例



【概要】
 平成25 年4月、税理士は関与を開始した。平成29 年5月、税理士は依頼者法人より定時株主総会のための役員報酬の相談を受け、A 取締役企画部長の賞与について、使用人兼務役員であり損金となる旨を回答した。その後、依頼者法人はA 取締役企画部長に賞与を支給した。税理士は使用人兼務役員の賞与を損金算入した平成30 年3月期から令和2 年3月期までの法人税確定申告書を提出した。
 令和2 年9月、税務調査により、A 取締役企画部長は株式の所有割合により使用人兼務役員には該当せず、平成30 年3月期から令和2 年3月期までにA 取締役企画部長に支給した賞与は損金不算入となる旨の指摘を受けた。その後、税理士は3 期分の法人税修正申告書を提出し、依頼者法人から損害賠償請求を受けた。


【詳細】
事故発覚の経緯
●令和2年9月、税務調査により、A取締役企画部長は株式の所有割合(70%)より使用人兼務役員には該当せず、平成30年3月期から令和2年3月期までにA取締役企画部長に支給した賞与は損金不算入となる旨の指摘を受け発覚した。

事故の原因
●税理士は、事前に取締役賞与の損金算入の可否の相談を受けた際に、役員の所有株式数の検討を怠り、A取締役企画部長の賞与について、使用人兼務役員であり損金算入できる旨の誤った指導をしたため。

税賠保険における判断
●税理士が、役員報酬の相談を受けた際、役員の所有株式数の検討を怠り、誤った指導をした結果、依頼者法人が支給額を定期同額給与等として損金算入する機会を失ってしまったことは、税理士に責任ありと判断された。
●取締役賞与の損金算入に係る税務上効果の相談は、課税要件の事実発生前に行う税務にかかわる指導・助言に該当することから、発生した過大納付法人税額は事前税務相談業務担保特約の保険金支払い対象となった。

支払保険金
●過大納付法人税額約300万円を認容損害額とし、免責金額30万円を控除した約270万円が保険金として支払われた。