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賠償事例 税理士職業賠償責任保険 事故事例(2019年7月1日~2020年6月30日) | 日税連保険サービス

決算期変更による税金対策の助言が遅れたため、過大納付消費税額が発生した事例 (保険金が支払われなかった事例)



【概要】
 税理士は、依頼者法人について簡易課税が有利な業態であったことから、平成29年4月1日適用開始の消費税簡易課税制度選択届出書を提出した。
 平成29年8月、依頼者法人の業種と業態の変更があり、本則課税適用が有利となった。
 平成30年4月、税理士は、平成30年3月期の課税売上高の増加と本則課税適用が有利な状況を把握していたが、決算期変更による税金対策が可能であることに気付かなかった。
 平成30年5月初旬頃、税理士は税金対策をとることが可能であったことに気付き、依頼者法人に提案し3月から6月に決算期変更を行った。
 助言が遅れずに決算期を早期に4月決算に変更していれば、納める税金を抑えることができたとして、税理士は依頼者法人から損害賠償請求を受けた。


【詳細】
事故発覚の経緯
●平成30年5月に税理士が依頼者法人の書類を整理していた際に、決算期を4月に変更した方が依頼者法人にとって優位であったことに気付き、事故が発覚した。

事故の原因
●税理士が決算期変更により税金対策が可能であったことに気付くのが遅れたため。
●これにより、本来、簡易課税適用課税期間が1か月分となるところ、平成30年4月~平成30年6月課税期間の3か月分となってしまった。
●平成29年4月1日から適用開始の簡易課税制度選択届出書を提出していたが、平成29年8月の業種・業態変更で本則課税が有利な状況となり、さらに課税売上高が急増した。この時点で平成29年4月1日適用開始の簡易課税制度選択届出書を提出していたため、基準期間課税売上高が5千万円超となる場合を除き、平成30年4月から平成31年3月までの課税期間は簡易課税制度が適用されることとなる。よって、同課税期間中に決算期変更を実施すれば本則課税が適用となり、不利な簡易課税の適用課税期間の短縮が可能であったが、税理士はそれに気付かなかった。

税賠保険における判断(保険金支払対象外と判断した理由)
●平成30年5月~6月課税期間分が簡易課税制度適用となったことによる同課税期間分の本則課税適用による消費税差額相当額について、税理士に責任ありと判断された。
●決算期変更による税金対策の助言提案は、課税要件の事実発生前に行う税務にかかわる指導・助言に該当することから、発生した過大納付消費税額は事前税務相談業務担保特約の保険金支払対象であるが、当該税理士は事前税務相談業務担保特約に加入していなかったため、税賠保険での保険金支払の対象外となった。



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