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賠償事例 税理士職業賠償責任保険 事故事例(2019年7月1日~2020年6月30日) | 日税連保険サービス

依頼者の不正会計を見破れなかったこと及び所得拡大促進税制の適用を失念したことにより過大納付法人税額が発生した事例



【概要】
 依頼者法人の社長は、平成20年頃から平成31年頃までの間に、依頼者法人の現預金から約2億円の現金を業務上横領した。会計上では現預金から仮払いを受けたことにし、後日現金で返金したものとして処理されていた。そのため、依頼者法人には帳簿上約1億5千万円もの現金が存在することになっていた。
 不審な会計処理がある場合、税理士はこれを正す義務があるとして、横領された金額相当額につき依頼者法人から損害賠償請求を受けた。
 また、同時に平成28年~30年分の法人税につき雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(所得拡大促進税制)の適用が受けられたにもかかわらず、これを適用せずに申告していたことも発覚したため、発生した過大納付法人税等について損害賠償請求を受けた。


【詳細】
事故発覚の経緯
●雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(所得拡大促進税制)の適用失念は、不審な会計処理について損害調査をしていた際に発覚した。

事故の原因
●雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(所得拡大促進税制)の適用可否について、そもそも税理士が検討することを失念していたため。

税賠保険における判断
●本件において問題とすべきは、税理士に会計書類及びその作成過程から把握される不審点を調査確認し、不正があればこれを是正する義務が、顧問契約上、税理士にあったといえるかという点である。
●顧問契約の定めから、依頼者法人から提出される会計原票に基づいて会計処理の記帳代行を行うこと、仕訳の方法といった会計処理の基本事項についての指導や相談の業務を超えて、会計書類及びその作成過程から把握される不審点を調査確認し、不正があればこれを是正する義務が税理士にあったと解することはできなかった。
●本件は当事者間において訴訟となり、不正会計については税理士に責任は無いと判断され、雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(所得拡大促進税制)の適用失念に関しては、適用していれば過大納付税額は発生しなかったことから、税理士に責任ありと判断された。

支払保険金
●過大納付法人税額約600万円を認容損害額とし、免責金額30万円を控除した約570万円が保険金として支払われた。



" 所得拡大促進税制 "に関する賠償事例 (検索結果は 4 件)
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