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賠償事例 税理士職業賠償責任保険 事故事例(2016年7月1日~2017年6月30日) | 日税連保険サービス

【事前税務相談】誤った決算期変更を提案したことにより課税事業者となり、過大納付となった事例



【概要】
税理士は、依頼者より、平成28年3月に多額の売却益が見込まれる不動産を売却予定である旨の相談を受けた。そこで、決算期を変更し、不動産売却から決算期末までの期間を長くすることにより時間を確保し、その間に合理的な対策を行っていくことを提案した。その後、提案通り決算期は12月から2月へ変更され、3月に不動産が売却された。

しかし、決算期が変更されたことにより基準期間にズレが生じ、決算期変更前の基準期間(平成26年12月期)では平成28年12月期は免税事業者であったが、決算期変更後の基準期間(平成27年12月期)では平成29年2月期は課税事業者となり、決算期変更後の翌期においても、特定期問の課税売上高の判定により課税事業者となるため、どちらも課税事業者なり、負担した消費税は回復しない事実が判明した。税理士は、平成29年2月期の決算作業中に自らこの誤りに気付いた。

これにより、想定外の消費税の負担が生じたとして、過大納付消費税額につき損害賠償請求を受けた。


【詳細】
決算期変更により課税事業者となる事実を把握していれば、決算期変更の提案は行なわれず、過大納付税額も発生しなかったことから税理士に責任ありと判断され、過大納付税額約1.900万円から税効果による回復額差し引いた約1,100万円を認容損害額とし、免責金額30万円を控除した約1,070万円が保険金として支払われた。

本件は、多額の売却益が見込まれる不動産売却に関するという「未だ発生していない事実に対する「事前」の税務に関する相談」に該当することから、事前税務相談業務担保特約の支払対象になると判断された。