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賠償事例 税理士職業賠償責任保険 事故事例(2020年7月1日~2021年6月30日) | 日税連保険サービス

相続時精算課税制度による年齢要件の確認を怠り誤った助言を行ったため、相続時精算課税の適用を受けることができず、過大納付贈与税額が発生した事例



【概要】
 税理士は、依頼者より不動産を父親から依頼者の名義にしたいと相談を受け、相続時精算課税の適用による贈与の提案を行い、依頼者の父親より贈与が行われた。
 相続時精算課税の適用要件は、贈与者が贈与年の1月1日において60 歳以上である必要があるが、依頼者の父親は、贈与時は60歳であったが、贈与年の1月1日時点では59 歳であったため、相続時精算課税の適用を受けることができず、依頼者に過大納付贈与税額が発生した。
 当該過大納付贈与税額について、税理士は依頼者から損害賠償請求を受けた。


【詳細】
事故発覚の経緯
●税理士は、贈与税の申告書作成時に年齢要件が未確認であり、相続時精算課税の適用を受けることができないことに気づいて発覚した。

事故の原因
●相続時精算課税制度による贈与を受けるには、贈与者が贈与年の1月1日時点において60歳以上である必要があるが、税理士は相談を受けた時点における贈与者の年齢を60 歳以上とは確認したものの、贈与者の贈与年の1月1日時点の年齢を確認することを怠ったまま相続時精算課税の適用ができると助言し、これに基づいて依頼者が贈与を実行したため。

税賠保険における判断
●相続時精算課税による贈与は、贈与者に相続が発生した場合には相続時精算課税による贈与財産も含めて相続税が計算されるが、依頼者の父の財産は本件贈与による財産を含めても相続税の基礎控除以内の財産となる見込であり将来相続税として課税される見込みはなかった。また、贈与年を翌年まで延期すれば相続時精算課税の適用を受けることができるとの正しい助言を受けていたとすれば贈与を翌年に延期した可能性がある。
●いつ時点で贈与を行なえば税務上効果的か等の相談は、課税要件の事実発生前に行う税務にかかわる指導・助言に該当することから、発生した過大納付贈与税額は事前税務相談業務担保特約の保険金支払い対象となった。

支払保険金
●過大納付贈与税額約75万円を認容損害額とし、免責金額30万円を控除した約45万円が保険金として支払われた。





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